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組織強化

人材確保の悩みを解決する6つのアイデアを紹介!現状と課題も解説

少子高齢化により、近年、さまざまな産業で人材を確保しにくい状況が続いています。

本記事では、中小企業における人材確保の現状と課題をご紹介したうえで、人材確保の悩みを解決するアイデアをご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1.中小企業における人材確保の現状と課題

以下、ここ数年の中小企業における人材不足の実態、および、採用難の主な原因をご紹介します。

1.1 人材不足の実態

日本商工会議所が中小企業における人手不足の状況を把握する目的で、2024年7月8日~7月31日に会員に対して実施した「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査」によると、「人手が不足している」との回答が63%でした。

特に運輸業では83.3%、建設業では79.2%が「人手不足」と回答しており、厳しい状況に直面してることが伺われます。

1.2 採用難の主な原因

中小企業が採用難に陥る原因は、「大手企業との人材獲得競争」に勝てないためです。背景には、「知名度の低さ」があります。企業の存在が広く知られていない状態では、応募者が少なくなることは避けられないでしょう。

以下、このような中小企業特有の採用難の原因を踏まえ、克服するためのアイデアをご紹介します。

2.人材確保のアイデア①:採用チャネルの多様化

自社の存在を多くの求職者に認知してもらって、応募につなげるためには、採用チャネルの多様化が必要です。

2.1 SNSを活用した採用戦略

多くの応募者は、公式サイトだけではなく、各種SNS上で発信される情報もチェックしているため、近年は「X(旧Twitter)」などのSNSを活用した採用戦略を選択する企業が増加しています。社風に関する情報をカジュアルに発信すれば、ミスマッチを防止しやすくなるでしょう。

また、ビジネス特化型のSNS「 LinkedIn」で人材を探し、アプローチをかけることも有効です。

2.2 リファラル採用の導入

リファラル採用(従業員の紹介による採用)では、従業員が気脈の通じた友人に対して、自社の業務内容や魅力・社風などを伝えます。マッチング精度が高まり、入社後の定着率が向上することが利点です。求人広告を出さない分、採用コストも削減できます。

導入にあたっては、自社の魅力や課題、人事・賃金制度、勤務実態などを整理しておきましょう。

2.3 産学連携による採用活動

地元大学との連携も検討するべきです。授業の一環で、「企業見学」を取り入れている大学もあり、学生に自社の存在を知ってもらうキッカケになるでしょう。

また、インターンシップを実施すれば、学生との接点が増え、人材獲得につながります。

3.人材確保のアイデア②:福利厚生や評価制度など内部ルールの充実化

特色ある福利厚生制度の実施、評価制度の明確化、教育・研修制度の充実も、人材確保につながります。

3.1 ユニークな福利厚生制度の導入

大手企業との人材獲得競争に打ち勝つために、中小企業ならではの独自の福利厚生制度を導入しましょう。

例えば、京都の呉服専門店では、自社の「着物」を着用してお茶会などに参加した従業員に対して、お手入れ代金を支援しています。着物に興味・関心がある人材の獲得につながる施策といえるでしょう。

3.2 明確なキャリアビジョンが見える評価体制

どのようにキャリアを積んでいくことが可能なのか、どのような制度が用意されているのかを明確にし、正当な環境下で仕事ができることをアピールすれば、求職者は「魅力的な会社」と感じるでしょう。すでに社内で働いている人員に対しても離職を防ぐ効果を期待できるため、評価制度が曖昧な会社は見直しを実施するべきです。 

評価制度の運用ポイントを詳しく知りたい場合は、お気軽にご相談ください。

3.3 教育・研修制度の充実

社外サービスを活用して管理職研修やフォロワーシップ研修などを実施し、社内教育の手厚さをアピールしましょう。応募者の増加が期待できるだけではなく、管理職と新入社員の認識が揃うことで、入社後の離職を防ぐ効果も期待できます。

教育・研修制度に関して詳しく知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。

4.人材確保のアイディア③:企業ブランディングの強化

企業ブランディングを強化することも人材確保につながります。

4.1 自社の強みの明確化

まず、自社の強み(独自性や魅力)を洗い出してください(「唯一無二の技術を持っている」「特定の分野・領域で売上高日本一」など)。

そして、パンフレットやWebサイトなどで、写真や動画を交えながら、自社の強みを求職者に伝えましょう。

4.2 社員インタビューの活用

実際の従業員の声を通じて企業の魅力を伝えることも有効です。働く姿をイメージしやすくなり、「この会社で働きたい」と感じる求職者の増加につながります。

従業員にインタビューを実施し、文章だけではなく、写真や動画も使って、求職者向けに情報発信を実施しましょう。社内で対応しきれない場合は、インタビュー記事・動画の制作を外注することもご検討ください。

4.3 企業文化の可視化

企業文化を可視化することも大切です。自社の価値観や働き方を明確に示してください。

求職者の共感を得るために、「悩みがある場合、すぐに上司や先輩などに相談できる体制が構築されている」「仕事と育児・介護を両立しやすい環境が整備されている」など、ポジティブな要素をアピールしましょう。

人材確保のアイデア④:柔軟な働き方の提供

リモートワーク、フレックスタイム制、ジョブシェアリングなど、柔軟な働き方の導入・提供も、優秀な人材を確保するうえで大切です。

5.1 リモートワークの導入

リモートワークを導入すれば、通勤する必要がなくなるため、その分、プライベートで使える時間が増えます。家事や育児、介護などとの両立もしやすくなり、求職者にとっての魅力が増すでしょう。

なお、リモートワークを導入する際には、セキュリティ対策を充分に講じる必要があります。社内の人材でリモートワーク環境を整えられない場合は、外部業者に依頼してください。

5.2 フレックスタイム制の実施

フレックスタイム制など、柔軟な勤務時間制度を導入することも、人材の確保に役立ちます。

なお、従業員満足度を向上させるためには、単にルールを作るだけではなく、上司が率先して取り組むことが重要です。上司が柔軟な働き方をしていれば、部下も同様の働き方をするようになるでしょう。

5.3 ジョブシェアリングの検討

ジョブシェアリングとは、1つの職務を複数の従業員で分担する方法です。ジョブシェアリングによって、さまざまな人材にアルバイトなどの形態で仕事をさせて、自社に適した人材を正社員に登用すれば、多様な人材の確保につながるでしょう。

また、勤務時間が弾力化され、育児や介護との両立が容易になるため、「毎日出勤するのは難しい」「フルタイムでは働くのが難しい」という人材も確保できます。

人材確保のアイデア⑤:採用プロセスの改善

優秀な人材を確保するためには、採用プロセスの改善も欠かせません。

6.1 オンライン面接の活用

オンライン面接を実施すれば、遠方に住んでいる人材を確保しやすくなります。

なお、モニター画面を通すと、表情や動作(相槌など)が分かりにくくなるため、対面よりもハッキリと話しましょう。また、「これから面接を開始します」「これで面接を終了します」など、明確な合図を出してください。

6.2 適性検査の導入

適性検査を導入することも、自社に適した人材であるかどうかを見極めるうえで重要です。

なお、適性試験として「SPI」を用いる企業が多いものの、総合職用の「GAB」や、コンピューター系職種の能力をチェックできる「CAB」など、多種多様な試験があります。求める人材に応じて、適性試験の種類を選定しましょう。

6.3 インターンシップの実施

インターンシップの実施も、自社に適した人材の採用に役立ちます。実施にあたって、目的や期間、報酬などを定め、大学などに伝えましょう。

面接は、長くても数十分程度の時間です。採用するかどうかの判断に迷うケースもあるのではないでしょうか。しかし、インターンシップの参加者が応募してくれた場合は、数週間~数ヶ月程度の時間を共に過ごした経験があるため、短時間では判断しにくい「人柄」「適性の有無」などを正確に見極めたうえで採否を決定できます。

人材確保のアイデア⑥:人材育成と定着策

せっかく採用しても、すぐに退職してしまったら意味がありません。人材が定着するような社内環境を整備しましょう。

7.1 メンター制度の導入

新入社員の定着率を向上させるために、メンター制度を導入しましょう。なお、メンタリングは、就業時間内に実施してください。

導入する際には、目的を明確にしましょう(「女性の営業職が少ないため、新しく営業職に配置する女性に対し、定着を図るためにメンターを付ける」など)。そして、経営者などが、定期的にメンターおよびメンティと意見を交換し、意見を踏まえて全社的にサポートする体制を構築することが求められます。

7.2 キャリアパスの明確化

キャリアパスを明確に示せば、従業員は将来をイメージしやすくなり、「会社のために貢献しよう」というモチベーションにつながるでしょう。

「どのような業務・役職を何年くらい経験すれば、どのような業務を担当できるのか、どのような役職に就けるのか」を表などにまとめ、分かりやすく提示してください。

7.3 社内公募制の実施

社内公募制とは、会社が必要とするポストや職種の要件を公表し、応募者の中から必要な人材を選抜する仕組みです。従業員のモチベーション向上につながり、定着率が高まるので、ぜひ導入をご検討ください。

なお、社内公募制を導入し、効果的に運用するためには、現場の理解や意識改革、ポストに必要な能力要件の明示、権限委譲、研修制度との組み合わせ、カウンセリング制度の実施、人事部門における適切な調整などが必要です。

8.まとめ

少子高齢化によって採用難が続く昨今、優秀な人材を確保するためには、「採用チャネルの多様化」「福利厚生・評価制度など内部ルールの充実化」「企業ブランディングの強化」「柔軟な働き方の提供」「採用プロセスの改善」「人材育成と定着策」に関する取り組みが必要です。

なお、「新卒者を採用したい」「経験者を採用したい」「資格取得者を確保したい」など、企業ごとに求める人材は異なるため、自社に適した形で実施しなければいけません。例えば、資格取得者を確保したいのであれば、社内の資格保有者にインタビューを実施して記事・動画を制作してはいかがでしょうか。

自社が欲しい人材にアピールできるように、本記事を参考にして、施策の内容を検討しましょう。