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組織強化

社員のモチベーションが低下する原因とは?向上させる7つの方法も解説

社員の定着率が低く、改善策に悩む経営者や責任者も多いでしょう。

一度下がった社員のモチベーションを持ち直すのは難しいため、日々の業務の中でモチベーションを維持・向上させる施策を取り入れることが重要です。

この記事では、社員のモチベーションが低下する原因やそれが企業に与える影響、さらにモチベーション向上に役立つ基本理論や具体的な方法を紹介します。

社員のモチベーションを上げ、会社を成長させたいと考えている方は、ぜひご覧ください。

1. 社員のモチベーションが低下する主な原因

社員のモチベーションを上げるためには、低下する理由を知っておきましょう。社員のモチベーションが低下する原因は主に3つあります。

1.1 役割の不明確さ

中小企業ではひとりが複数の業務を遂行する場合があり、役割が不明確になりやすい傾向にあります。業務の目的や目標が明確でない場合、何のために仕事をしているのか分からなくなり、迷走してしまう要因となります。やりがいや達成感のない仕事は、社員のモチベーションを低下させるため、明確な職務定義と期待値の設定が重要です。

1.2 評価・報酬の不満

給与に直結する評価基準を明確にしなければ、不満の原因になります。例えば、大きな成果を上げたにもかかわらず、査定結果で十分に評価されない場合、社員は仕事で頑張る理由が見いだせず、今後のモチベーションに悪影響を及ぼすでしょう。

また、起業当時につくったままの人事評価制度を使い続けていると、その制度が現代の状況に合わなくなっている可能性があります。さらに、さまざまな職種が混在している企業では、評価基準が不明確な場合、成果や努力が見えにくくなります。社員は公平に評価されていないと感じ、モチベーションの低下を招く要因となるでしょう。

このように、公平で透明性のある評価制度は非常に重要であり、中小企業でも実践可能な評価システムの構築が必要です。

1.3 コミュニケーション不足

評価や給与面以外でも、仕事や人間関係について相談しにくい職場環境は、社員のモチベーション低下の原因となります。情報共有意見交換の機会が少ないと、社員はひとりで悩むことが多くなり、孤立感が生まれやすくなります。そのため、定期的なミーティングや1on1面談を実施し、社員それぞれにフィードバックをおこない、悩みや不安を解消する機会を設けることが効果的です。

2. モチベーション低下がもたらす企業への影響

社員のモチベーションの低下は、企業の生産性や離職率、職場の雰囲気にも悪影響を与えます。

2.1 生産性の低下

社員のモチベーション低下は、企業の生産性に直接的な影響を及ぼします。やる気がない社員は、同じ仕事内容・仕事量でも、やる気があるときと比べて作業に時間がかかり、ミスの頻度も高くなる傾向があります。中小企業では、人員や時間、資金などのリソースが限られており、社員のモチベーション低下が複数の業務に影響を与えることがあるため、十分な注意が必要です。

2.2 離職率の上昇

現在の仕事にやりがいを感じられなくなると、離職率が高くなる原因になります。厚生労働省「令和5年離職理由」の調査によれば、離職理由の一つに「満足のいく仕事内容でなかったから」が 26.7%で2位にランクインしています。1位の「労働条件(賃金以外)がよくな かったから」との差はわずか0.5%です。このように、モチベーションは仕事を続けるかどうかの重要なポイントとなります。

優秀な人材の流出は中小企業にとって致命的な問題であるため、モチベーション管理が人材定着の鍵となります。

2.3 職場の雰囲気悪化

モチベーションが低下した社員の雰囲気は、ほかの社員にも悪影響を及ぼす可能性があります。チームで働いているため、ひとりのミスがチーム全体に影響を与え、ほかのメンバーの負担を増やすことになります。仕事が予定通りに進まず、チーム全体のやる気が低下すると、企業にとっては大きな打撃になるでしょう。

このように、少人数の職場では雰囲気の悪化が急速に広がりやすいため、早期の対策が重要です。

3. モチベーション向上の基本理論

社員のモチベーション管理の参考になる、マズローの欲求階層説と二要因理論を紹介します。

3.1 マズローの欲求階層説

マズローの欲求階層説は、人間の欲求を「生理的欲求」「安全欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」の5段階に分ける理論です。

生理的欲求(睡眠、食事など生存に必要な基本的な欲求)と安全欲求(経済的、心身的な安全を求める欲求)は、会社に属している時点で満たされるべき基本的な欲求です。しかし、人間関係や報酬面などに問題がある場合、これらの欲求が満たされず、モチベーションが下がる原因になります。

また、社会的欲求(集団に属し、仲間を持ちたい欲求)や承認欲求(他者に認められたい欲求)は、上司とのコミュニケーションや正当な評価などによって満たされる欲求です。

最終的には、自己実現欲求(欠乏のない、満足できる自分になりたい欲求)の段階を目指すことで、社員は自分自身や会社と向き合うことになり、モチベーションの向上につながりやすくなります。

3.2 二要因理論

二要因理論とは、満足と不満足の要因は独立して存在するという理論です。この理論では、モチベーションを上げる要因を「動機づけ要因」、モチベーションを下げる要因を「衛生要因」と呼びます。

動機づけ要因では、「達成」「承認・認知」「仕事自体」「責任」「承認」など仕事に関連する要素が含まれます。これらの要因を高めるためには、責任感や達成感のある仕事を任せることが効果的です。また、上司からの称賛や認知も、モチベーション向上に大きく影響します。

衛生要因は、「管理体制」「上司や同僚との人間関係」「労働条件」「給与」などが含まれ、これらが不十分だとモチベーションが下がる傾向にあります。例えば、同じ仕事量をこなしている同僚と比べて、自分の給与が低いと感じると不満が生じ、モチベーションが低下する原因となるでしょう。

衛生要因を改善して不満を解消することは、必ずしもモチベーション向上には直結しません。そのため、不満を解消しつつ、動機づけ要因にも積極的に働きかけることが、社員のモチベーション向上に重要です。

4. 社員のモチベーションを向上させる6つの方法

社員のモチベーション向上に役立つ方法を6つ紹介します。

4.1 明確な目標設定とフィードバック

社員のやる気を引き出すためには、定期的に明確な目標を設定することが重要です。また、仕事における良い点や成長した点を具体的にフィードバックすることで、社員に自信がつき、モチベーションの向上につながります。改善点を伝える際も、指摘するだけでなく、褒める点と組み合わせてフィードバックすることが効果的です。

4.2 キャリア開発支援

社員のスキルや意欲に応じて、業務内容や役割を柔軟に調整できる中小企業ならではのキャリアパスを示し、個々の成長を支援する取り組みは非常に重要です。例えば、幅広い業務経験を通じてマルチスキルを身につけられる機会の提供や、社内外の研修や資格取得支援を実施することで、キャリアの選択肢を広げることが可能です。これにより、社員のやる気を引き出し、長期的なモチベーション向上にもつながるでしょう。

4.3 柔軟な働き方の導入

フレックス制度やリモートワークなど、仕事とプライベートを両立しやすい柔軟な勤務体制の導入を検討しましょう。仕事のモチベーションを向上させるには、プライベートの充実も重要なポイントです。ワークライフバランスを意識することで、社員のやる気を引き出し、働きやすい環境を提供できます。

4.4 公正な評価・報酬制度

公平で透明性のある評価制度報酬体系を構築し、社員の成果に応じた適切な評価ができるようにしましょう。努力が正しく評価されることで、社員のモチベーション向上につながります。

もし、自社に公正な評価制度を構築するリソースが不足している場合や、現在の制度に不安がある場合は、外部に委託することも検討しましょう。外部委託では、同様のケースを豊富に経験したプロの視点から、自社に適した評価制度を作成できます。リソースを抑えつつ、オンリーワンな評価制度を導入することで、社員のモチベーション向上が期待できるでしょう。

4.5 コミュニケーションの活性化

社内でコミュニケーションが取りやすくなる方法を取り入れましょう。定期的な1on1面談を実施し、小さな不安や不満を早期に解決することで、前向きな仕事環境をつくります。また、ミーティングでは全員が平等に発言できる機会を設け、情報交換を促進しましょう。気軽に質問や意見が言えるオープンなコミュニケーション文化を構築することで、自然と社員のモチベーションも向上するでしょう。

4.6 社員の自主性を尊重

社員が自ら考え、行動できるような環境を整えましょう。例えば、業務の一部を完全に任せることで、自律的な行動を促す権限委譲が効果的です。ただし、自主性を尊重するあまり、放任しすぎることには注意が必要です。質問しやすい環境を提供し、心理的な不安を軽減するサポートも怠らないようにしましょう。自主的に仕事を進め、成果を上げた際には、モチベーションの向上につながります。

5. モチベーション向上施策の効果測定

モチベーション向上施策の効果測定をすることで、実施した施策が社員のモチベーションにどれほど影響を与えているかを評価できます。これにより、施策の有効性を確認し、必要に応じて改善策を講じられるので、効果測定は施策の適切な調整と社員のモチベーション向上に役立つ重要なプロセスです。

5.1 アンケート調査の活用

匿名アンケートを実施し、施策に対するフィードバックを集めます。匿名であるため、社員が正直に回答しやすく、施策に対する率直な意見を得られます。アンケートで得られた結果を分析し、必要な改善点を特定したうえで施策を見直し、再度実施する際の参考にすることが重要です。

5.2 1on1面談の実施

1on1面談は、部下の成長やモチベーションを上げるために実施します。面談では部下の主体性を尊重し、聞き役に徹することが重要です。面談のテーマは部下に決めてもらいましょう。問題点や解説策の見つけ方は、上司が適切に誘導しながら、最終的な決定は部下自身に任せるように促すことがポイントです。

また、テーマの最後にこれまでの業務についてフィードバックをおこないます。改善点を伝えるときは、モチベーションが下がらないように良い点も一緒に伝え、フォローを入れるなど、伝え方の工夫が必要です。

5.3 生産性指標の分析

モチベーション向上と生産性の関連性を測定するためには、生産性指標を用いた分析が効果的です。まず、売上高や業務達成度、エラー率などの指標を設定します。施策実施前後にこれらのデータを比較すれば、モチベーションの変化がどのように生産性に影響を与えたか確認できます。例えば、売り上げの増加やエラー率の低下が見られる場合、施策の効果が示されるでしょう。データをもとに評価し、必要に応じて改善策を講じることで、さらに効果的な施策が可能になります。

6. まとめ

仕事での役割や目標が不明確な場合や、評価・給与が見合っていない場合、社員のモチベーションは低下しやすくなります。これにより、生産性の低下や職場の雰囲気の悪化など、企業全体に悪影響を及ぼすことがあります。そのため、定期的なミーティングや1on1面談、アンケートの実施が必要です。また、公正で透明性のある評価制度の導入も、社員のモチベーション向上には重要です。一時的な施策ではなく、継続的にモチベーションを管理する取り組みを実施しましょう。