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組織強化

やる気のない社員の特徴は?生まれる原因や効果的な対策も解説

会社のなかにやる気のない社員がいると、社内の雰囲気が悪化し、ひいては会社全体の士気低下にもつながってしまいます。そのため、会社としては早期にやる気が起きない原因を特定し、対応策を実行しなければなりません。

本記事では、やる気のない社員の特徴と会社に与える影響を見た上で、やる気をなくしてしまう要因ややる気を起こすための対応策についてお伝えします。経営層や人事部で社員の管理にお悩みの際はぜひ、参考にしてください。

1. やる気のない社員の特徴とは?

やる気のない社員の主な特徴は、「無気力」「無責任」「消極的」の3つです。ここではそれぞれについて具体的に解説します。

1.1 無気力で覇気がない

やる気のない社員は無気力で覇気がなく、何をするにも行動が遅いのが特徴です。たとえば、遅刻が多い、仕事の納期を守らない、問い合わせや呼びかけにすぐ対応しないなどが挙げられます。

ただし、仕事以外の行動が素早いのも特徴の一つです。具体的には昼休憩は誰よりも早く会社を出てしまう、早退が多いなどで、その結果、納期に間に合わない、問い合わせや呼びかけに対応できないなどにつながります。

1.2 仕事への責任感が薄い

やる気のない社員は仕事への責任感も薄く、報告・連絡・相談をしないなど、与えられた仕事であっても自分ごととして捉えていません。

また、仕事でミスをしても責任感が薄いため、何度も同じミスを繰り返します。ミスを責められたとしても、言い訳をする、反抗的な態度を取るだけではなく、他人のせいにして自分で謝ろうとはしません。

そもそも、ミスをしても基本的に上司に報告しないため、発覚が遅れるケースも多く、上司や同僚が責任を取らざるをえない状況になりがちです。

1.3 積極的に仕事に取り組まない

新しい仕事を避け、与えられた以上の仕事に取り組もうとはしません。また、与えられた仕事に対しても最小限のことだけをやり、後は周囲に丸投げします。

また、会議に出席したとしても自分からは発言せず、促された場合も自分の意見は言わずに周囲に同調するだけです。そのため、何を考えているかもよくわからず、重要な仕事は与えなくなり、さらに仕事に取り組む姿勢は悪くなります。

やる気のない社員は、無気力で積極的に仕事に取り組まず、責任感もなく周囲に責任を押し付けるのが特徴で、その結果、周囲の負担が大きくなるばかりです。そのため、最初から仕事を任せないようになり、よりやる気を失ってしまう悪循環になります。

2. やる気のない社員が生まれる原因

今、やる気のない社員も以前はやる気のある社員であったケースも少なくありません。ここでは、なぜ、やる気のない社員が生まれてしまうのか、主な原因について解説します。

2.1 仕事の意義を見出せない

成果目標が明確ではなく、会社に貢献するために何をすればよいのかがわかりにくい、売上をつくっても会社に貢献しているかが見えない状況ではやる気も失せてしまいます。

会社として明確なキャリアパスを提示していなければ、自分が会社のなかで成長する道筋もわからず、仕事の意義を見出せないと、どうしてもやる気は起きません。

2.2 評価や待遇への不満 

会社の評価制度が定まっておらず、上司によって成果に対する待遇も異なる状況では、努力が報われないと感じ、仕事に対するモチベーションも上がりません。

具体的には、会社が昔に作った評価がそのまま現代も活用されているケースが挙げられます。時代に則していない評価基準は周りの会社とのギャップを生み、ストレスとなってやる気が削がれてしまうでしょう。その結果、やる気をなくして転職されてしまう可能性も考えられます。

2.3 職場環境の問題

劣悪な職場環境も社員のやる気を削いでしまう大きな原因の一つです。具体的には人格否定、人前での叱責、殴る・蹴るなどの暴力などのパワハラや性的な侮辱、見た目を揶揄するなどのセクハラなどが挙げられます。

ほかにも明らかに達成不能なノルマを与えて過度な残業を強いる、逆に仕事を与えずに孤立させるなどもよく見られるケースです。

会社のなかに一人でもそうした社員がいると、社内の雰囲気は悪くなり不健全な職場環境を生み出し、やる気のない社員の増加につながってしまいます。

3 やる気を引き出す7つの効果的な対策

社員のやる気を引き出すには、やる気を削いでしまう原因を見つけ出し、排除しなければなりません。ここでは社員のやる気を引き出すのに効果的な7つの対策を解説します。それぞれの原因に応じて適した対策を試してみてください。

3.1 コミュニケーションの改善

評価や待遇に不公平感を持ってやる気をなくした社員には、定期的に1on1ミーティングやオープンな意見交換の場を設けるのが効果的です。現状の不満を共有し、意見の齟齬があれば、早急な改善により、誤解を解くようにします。

なお1on1ミーティングは2カ月に一度、プロジェクト終了時など、事前にスケジュールを組み、必ず実施することが重要です。定期的なコミュニケーションの蓄積が不満の解消につながり、やる気を出すきっかけにもなります。

3.2 目標設定と評価制度の見直し

仕事の意義が見出せない社員に対しては、明確な目標設定評価制度の見直しが効果的です。

代表的な目標設定としては、次の5つの目標を設定し、実践するSMARTの法則があります。具体的には次のような目標を設定することで何をすべきかが明確になり、やる気を引き出すことが可能です。

  1. S(Specific):具体的な目標

商談化率を50%向上させる

  1. M(Measurable):測定可能な目標

    営業の訪問先を1日3件から5件に増やす

  1. A(Achievable):達成可能な目標

    一ヶ月の商談数を20件から25件に増やす

  1. R(Relevant):関連性のある目標

Webサイトからの資料請求数を20%向上させる

  1. T(Time-bound):時間的な制約がある目標

    半年で商談化率50%向上を実現させる

また、結果だけを見る評価制度は運の要素も必要になります。そこで、成果だけではなく、プロセスについても評価する制度の導入がおすすめです。成果を上げるために何をしたかまでをしっかりと見ることで、社員のやる気を引き出せる可能性も高まります。

3.3 教育・研修の充実

日々の仕事でスキルアップすることも重要ではあるものの、具体的な形としては見えにくく、成長を実感できない場合があります。そこで、社員研修資格取得講座など具体的に形として見えやすいスキルアップの機会を提供することも重要です。

コーチング研修やリーダーコミュニケーション研修のほか、業務に役立つ資格取得支援などが効果的で社員のモチベーションアップにもつながります。

3.4 職場環境の改善

劣悪な職場環境のままでは社員のやる気は引き出せません。具体的には経営層が中心となり、ワークライフバランスの推進や、ハラスメント対策の強化を行うなどが効果的です。経営層が働きやすい環境づくりに積極的に関与することで、やる気が起こり離職率低下にもつながるでしょう。

3.5 適材適所の人員配置

個々の社員が持つ強みや得意な業務を最大限に生かすため、適材適所の人員配置を実施します。

社員の強みを活かした配置転換や、新しい役割の付与は個々の社員の特性をしっかりと把握しておかなければなりません。つまり、適材適所の人員配置ができるのは上司が部下とのコミュニケーションがしっかりと取れている証でもあります。

上司が自分をわかってくれていると感じられれば、やる気も高まり、会社としても高い成果が期待できるようになるでしょう。

3.6 報酬制度の見直し

評価や待遇に不満を持つ社員は、報酬制度の見直しによってもやる気を引き出すことが可能です。どれだけ評価していることを伝えても言葉だけではモチベーションアップにつながらない場合もあります。

社会人である以上、評価を適切に報酬として提示することはやる気を高める上でも重要なポイントの一つです。具体的には成果に応じた報酬や、特別休暇、表彰制度など非金銭的な報酬の導入など、多様な報酬制度がモチベーションにも大きな影響を与えます。

3.7  経営ビジョンの共有

仕事の意義を見出せずにやる気をなくしている社員には、会社の方向性や目標を明確に伝え、社員一人ひとりの役割を明確にすることでやる気を引き出すことが可能です。

経営ビジョンの共有方法としては、周年パーティーや社内報の活用が考えられます。また、社内SNSやグループウェアを使い、経営層が自らメッセージを伝えるのも効果的です。

4.まとめ

やる気のない社員が増えれば、周囲の環境悪化につながり、最終的には離職率の増加、経営不振のリスクも高まります。もちろん、社員個々の責任が大きいものの、会社の体制や職場環境がやる気を低下させているケースも少なくありません。そのため、まずはなぜ、やる気をなくしているのか、その原因を究明することが重要です。

やる気がない原因がわかれば、原因に応じた対応も可能になります。経営ビジョンの明確化、評価・報酬制度の見直し、劣悪な職場環境の改善などの実施により、社員のやる気を喚起できれば、会社としても大きな成長につながるでしょう。